|
出力段はブリッジ・トポロジーで設計されています。それはフルバランス・アンプとも呼ばれ、音楽信号の正相信号と180。反転した逆相信号を独立したアンプによって同時に増幅します。すなわち、MONOLOGの内部には2台の完全に独立したアンプがあることを意味します。接続されるスピーカーは、正逆2つのアンプの+(プラス)信号同士を終端する“橋(Bridge)”として接続されます。 |
|
この構成の長所は、スピーカーユニットの振動板の前後の動きを、各々に独立したパワーアンプで制御できるという点にあります。すなわち、前に押し出す動きは正相用のパワーアンプで制御し、後ろに引き戻す動きは逆相用のパワーアンプで制御を行う、ということです。 |
|
通常のアンバランス構成のパワーアンプであれば、自らの意思で制御できるのは前に押し出す動きだけであり、後ろに戻るときは振動板のエッジとダンパー、およびユニット背面の空気負荷に影響を受けながらなんとなく自由落下しているようなものです。 |
|
振動板が前に動くときの速度と後ろに戻るときの速度、およびそのときに加わっている力が同一であればあるほど、リアルで精緻な音楽信号の再生が行えます。しかも振動板が戻る動きを行うときにはボイスコイルに逆起電力が発生します。これがそのままSPケーブルのー側を伝ってアンプのGNDを揺さぶる原因となり、微細な音楽信号の増幅に影響をおよぼすのです。 |
|
しっかり動いてしっかり止める。このためにはブリッジ・トポロジーが有効なのです。これによって各々のユニットの正確な動きをコントロールすることが可能となり、より繊細でかつダイナミックなリニアリティの表現が実現できるのです。 |
|
MONOLOGには、いかなるスピーカーを接続しても音楽再生における十分なエネルギーを増幅回路の出力段に安定供給することができるように、電源部に500VA級パワートランス2基と合計80,000μF以上の大容量コンデンサを装備しています。これは、MONOLOGに内蔵されている正負のアンプブロック各々の電源部に、電源トランスと40,000μF以上のコンデンサが割り当てられていることを意味します。 |
|
各々の増幅部の出力段は、バイポーラTRによる5パラのコンプリメンタリ構成となっており、MONOLOGの内部には合計20個の出力素子が使用されています。最大出力は400W(8Ω負荷時)で、スピーカー出力におけるダンピングファクターは100以上(8Ω負荷時)となっています。 |
|
MONOLOGの背面にはRCA(アンバランス)/XLR(バランス)の2系統の入力端子があります。これは“BAL/UNBAL”スイッチによって選択可能です。また、バランスライン出力を装備しており、入力された信号をそのまま次のパワーアンプへ受け渡すことができ、プリアンプの出力が1系統しかない場合でもバイアンプ接続へシステムを発展させることができます。なお、XLR入出力にはバッファアンプが装備されており、負荷の影響を受けにくい構成となります。 |
|
また、トリガー入力(RJ-45コネクタ、動作範囲はおよそ4-10VのDC)を装備しているので、同規格、同タイプコネクタによるトリガー出力を持つプリアンプと組み合わせれば、接続された機器の電源を連動でONまたはOFFにすることができます。この機能は“AUTO”スイッチで使用を選択できます。 |
|
増幅部のゲインを、背面のスイッチによって20/26/32dBの3段階に切り替えることが可能です。これによって使用するプリアンプのゲインやスピーカーの能率に応じて、適正な音質、ボリュームの操作範囲を選ぶことが可能となります。 |
|
フロントパネルのデジタル電圧計は、使用中のAC電圧値を表示します。この機能は背面のスイッチでON/OFFができます。大きなVUメーターは現在のアンプ出力を表示します。このメーターはLEDを使用しており反応は非常に迅速です。この機能も背面のスイッチでON/OFFができます。 |
|
MONOLOGは、パワーアップ時に内部の防護回路が出力端子間のインピーダンスをチェックします。スピーカーの定格インピーダンスが2Ω以下の場合はMONOLOGを使用することはできません。しかし、動作時のリアルタイムでのインピーダンスチェックは行いませんので、通常動作時に一時的に2Ω以下にインピーダンスが下がっても防護回路が働くまでは正常に動作し続けます。 |